体感!さわやか赤城山 

男の子 女の子 ふたりで登ったはじめての山です。ここから 谷川岳穂高 と続くことになる「原点」ともいうべき山。 とても思い出深い山行になりました。

【日 付】 1997年9月6日(土) 曇り
【場 所】 赤城山

9/5(金)
 23:00 出発前夜
「おい!明日山に行くぞ」といきなり相棒が言い放った。
かねてから山に行きたいと漏らしていたのだ。 9月初旬、山が紅葉を始めたというニュースにいてもたってもいられなくなったらしい。 愛用の赤ザックに上着、タオル、着替えを詰め込みすばやく支度を整え、 目覚ましを5時にセットして布団に入る。
相棒の喜々とした顔についつられたものの、実は、スポーツ音痴で 「山登りなんてとんでもない!」 というタイプの私。遠足前夜の興奮でなかなか寝つけなかった。

 ◆  ◆  ◆
9/6(土)
 6:00 起床
目覚ましがけたたましく鳴った。外はまだ暗い。
まず湯を湧かし熱いコーヒーで目を覚ます。ポットにもコーヒーをたっぷり用意する。 知る人ぞ知る、山頂で飲む熱いコーヒーは最高なのだ、と相棒が言う。 いつになく早起きをしてタバコをくゆらせながら、登山地図を眺めている。

 7:00 自宅を出発
家を出て関越高速に向かった。土曜日の早朝のことで車の量は少ない。 低い雲が垂れ込めていたが空は次第に明るさを取り戻しつつある。予報では晴れマークが出ていた。 花園〜本庄児玉までひと走り。前橋ICで降り、一般道から赤城山を目指す。相棒は土地勘があるので、 安心して助手席で睡眠を補うことができた。申し訳ないけど、気が付いたら赤城山麓の駐車場だった。

 10:00すぎ 駐車場に到着
国定忠治が追っ手の目を逃れて隠れ住んだ赤城山だ。 物語の世界では知っていたけれど、まさか自分がここに来ることになろうとは思ってもいなかった。
湖畔にはお土産の店が林立し、すっかり観光地化している。 「あそこからあそこに行くんだよ」と相棒が嬉しげに指差す山を見ると、 私の目にはとんでもない高さに映る。 周囲を見ると、数人の登山者が車を降りて支度を整えている。あの人たちも赤城山に登る人たちなんだろうか。
支度をととのえ、いざ出発。登山口までおよそ20分歩かねばならない。湖畔に沿ってゆっくり歩きはじめた。 小さなザックには、コンビニで揃えたおにぎり、お茶、お菓子。ほんとうに遠足気分だ。

 10:37 登山口より登りはじめる
相棒を先頭にいよいよ登りはじめた。 いきなりの急登。すぐに息が切れる。心臓がドキドキ音をたて、汗が頬から顎へ滴り落ちる。 無事登れるかどうか不安になった。熊笹の生い茂る山道を黙々と登る。 生憎ガスがかかっていて視界はきかない、が草の匂いがたちこめ樹林を吹きわたる風が肌に心地よい。 湖を見下ろす稜線に出たら視界が一気に広がった。 「わー、すごいなぁ」と思わず歓声をあげる。

小休止をはさんでさらに登る。「次の一歩をどこに置くか考えながら歩くんだよ」と相棒。 先に立って歩いてみると、考えながら歩くのは思ったより神経を使う。 前方を、足場を確認し、より安全で体力消耗の少ないルートを選択する。 登山には、体力、全身のバランス感覚とともに、知性も必要なんだ、と納得。

笹薮の道はぬかるんでいて歩きにくい。ふと相棒を見ると 私以上に息があがっている。あはは。 ひさしぶりの山なので身体が山に慣れていない、とさかんに言い訳をしていた。 前を見ると、元気のいいおばさん登山隊が列をなして登ってゆく。 大きな声で楽しそうに会話をしながら登れることにびっくり。 しかも、そのいでたちは本格的でザックも靴も山専用のもの。 私たちはというといつもの運動ズックにふつうのズボン。ちょっと恥ずかしい。
分岐に出た。指標に右が駒ヶ岳、左が黒檜山頂上と書いてあった。 背丈ほどもある薮をかき分けて50メートルほど歩くと猫の額ほどの広場があった。

 11:50 頂上を極める
ついに頂上到達!。時計を見ると、コースタイムを20分程短縮していた。 もっとも、おにぎりと水筒しか背負って来なかったのだからあまり参考にならないかな。 山頂を極めたなんともいえない開放感。この気分は海には無い。 「山はいいぞー!!」はまりそうな気がする。

四方の展望を楽しむ。かすかに見えるのが富士山だよと相棒が教えてくれた。 あれが、富士山、、、今よりずっと若いときに、会社の新人研修会で登った記憶が蘇った。 あのときは、わけもわからず小砂利道をただひたすら登らされたので、 山登りの楽しさなんて全然わからなかったけど。

楽しいお弁当タイム。敷物を広げて標識の下に陣取る。パクパク、モクモク。 熱いコーヒーをゴクゴク。狭い山頂に続々と登山者が上がってきて、賑やかになってきた。 こんなにたくさんの人が赤城山にきている。 自分の足で登頂した今では、こうして多くの人達が山に登る気持ちもなんだかわかるような気がする。

 13:58 下山
駒ヶ岳を経由して無事、下山。その足で、連合いに連れられて登山用具店へ直行。 軽登山靴をはじめ、基本的な装備を購入した。 小学校のときから体育は「3」で、運動会のときはなんとかずる休みをすることばかりを考えていた私が、 なんと、山にはまってしまいそう。。。

文責: 木蓮


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