尾瀬逍遥、燧ヶ岳に登頂 

靴 1998年のお正月を丹沢で過ごして以来、ほぼ半年振りのテント。今回のような時間的にゆったりとした山は初めてだった。

【日 付】 1998年7月17日(金)〜20日(月)
【場 所】 尾瀬(地図
【行 程】 (07/18) 戸倉………鳩待峠………見晴キャンプ場
    08:00 08:30 09:00  13:00
(07/19) 見晴キャンプ場…燧ヶ岳山頂… 見晴キャンプ場
    05:00     09:00 10:00  13:00
(07/20) 見晴キャンプ場………鳩待峠………戸倉


7/17(金) いざ、尾瀬に向けて出発
仕事を終えて帰宅してからのこと。即座にザックを愛車ワーゲンに積み込み開始。前夜までにパッキングは全て完了させておいた。下山後のお風呂も楽しみだったので着替え一式も合わせて積み込むことは言うまでもない。
仮眠を取って午後10時に出発。運転は相方に任せる。
混雑を覚悟していた道路は、案に相違して空いてた。外環を経て練馬へ。高速を走ること約2時間で沼田インター到着。そこから尾瀬までは40キロほど。途中のコンビニで食料(おにぎり)を買い損ねてしまった。
午前1時戸倉に到着。駐車場はほぼ満杯状態に近く、かなりの人が山に入っていることが伺えた。さっそく仮眠に入る。空を仰げば満天の星。深夜の疲れもあって即座に眠りに入った。スヤスヤ。

 ◆  ◆  ◆

7/18(土) 鳩待峠から見晴キャンプ場へ
 07:00 車内で起床
明け方頃、周囲がざわつく。仮眠を取っていた遠路はるばるの車族が活動を開始したらしい。まったく気にしないで再び眠りに入る。覚醒したのは7時だった。湯を沸かして食事を取る。おにぎり一個とパン。コンビニで確保する予定が狂ってしまったせいで寂しいもの。
午前8時、相乗り5人900円なりの料金を支払ってタクシーに乗車。運転手さん曰く「今年は季節が一ヶ月早くなっていて、もうニッコウキスゲは終わってる。」湿原一面に咲き乱れるニッコウキスゲとやらを一度は見てみたいもの。花の時期に合わせて会社を休む身分ではないからなあと独り言。

 09:00 鳩待峠から歩きはじめる
8時半、タクシーは、人で溢れる鳩待峠に到着。熱いコーヒーで景気をつけ、9時丁度に歩きはじめる。 今回は二泊三日分の食料とテントシュラフ一式で、いつもよりザックが重い。つい2週間ほど前から始めたスクワットを含めた基礎トレーニングの効果や如何に?(これが絶大な効果があったことは最後の日になって分かった。)

地図 石で組まれた階段状の道を下り、木道を歩いて山の鼻に到着。木道脇の小屋の前には、色とりどりのテントが設営されていた。ここを基点にすれば燧ヶ岳と至仏山をまとめて登頂可能だな、と次回の参考データとして頭にインプット。 キャンプ地前のビジターセンターをざっと見学する。じっくり見ればおもしろそうだが、歩くリズムに乗ってきている。後ろ髪を惹かれながらも、眼前に聳える燧ケ岳目指してモクモクと木道を歩くことにする。天気は最高。光を浴びて湿原が輝いていた。

団体さんの姿が目立つ。あの人たちの小さなザックの中には何があるのだろう。まさかお菓子と水筒とお弁当だけではないんだろうなあ。化粧品かしら? おばさん達は実に元気がいい。なんであんなにおしゃべりしながら元気よく歩けるのだろうと感心する。赤城山の山頂でもスーパーで売っていた卵の値段がどうのこうのなんて話をしていたことを思い出す。

竜宮小屋を過ぎたあたりからニッコウキスゲがチラホラ姿を見せてくれる。ギボウシ、オゼソウ、ヒツジグサ、ワレモコウ、サワギキョウなどの花がささやかに咲いていた。ワタスゲは既に白く化粧をすませていた。
ワタスゲ木道を歩きながら考えた。
やっぱりこの尾瀬の湿原は貴重なんだなあ、、これだけの広がりのある湿原が残されているってのは、どうも凄いことらしい。無論、他に湿原がないわけではないし、ミズバショウも尾瀬だけの産物でもないけれど、、。燧ヶ岳と至仏山という役者が揃っていて、なお主役がもうひとり居るってところは、そうはない。そういうことを考えながら見晴小屋に着いた。午後1時を回っていた。ほぼコースタイム通り。

 13:00 見晴キャンプ場
既に40幕くらいのテントが設営されてあった。場所探しにうろうろ徘徊し、ここぞと思う場所に設営開始。こんな早い時刻にテントを張るなんて初めてのこと。なにせテント生活はこれで4度目の初心者だからいろいろ失敗もした。だから人様のテントの様子とか使っている道具とか料理がとても気になる。相方は頑固なまでにガソリンバーナー派で、着火までのプロセスを重視しているらしい。わたしも見よう見まねで、ようやくバーナーをマスターした。分解掃除にも挑戦した。ガスに比べて確かにガソリンの方が経済的。ボッと火が着いた時の安堵感は何とも言えないし、それに情緒がある。簡便性、安全性はガスに明らかに軍配があがるけど。

テント テント テント

テントの設営を終えてから散歩に出かける。色とりどりのテントが立ち並び壮観。狭い敷地に次々とテントが張られてゆく光景が面白かった。キッチリテントを張るのはなかなか難しいもの。巨大なテントを張っている軍団もいた。(あんな重いものをようも担いできたものだ。)若いと思いきやかなりの御年配の方々だった。興が乗ってきたらしく軍歌が出てきたのには破顔一笑。夕刻までに食事を終え、することがないので7時にはシュラフに入って就寝。山のテント場は夜も朝も早い。

 ◆  ◆  ◆

7/19(日) 燧ヶ岳に登る
午前3時半に目覚め、トイレに立つ。上弦の月と満天の星。大きな白鳥座をひさしぶりに見た。ほどなく夜明け。残り御飯の雑炊仕立てとコーヒーで腹ごしらえ。5時に燧ヶ岳目指して登山を開始する。テントに不要なものをデポしてきたので荷物は軽い。

順調に高度を稼いで9時には頂上に立つ。視界良好、ほぼ360度パノラマ状態。流れる汗、至仏山と湿原の緑と涌立つ雲と美味しい空気。ようやくここに立つことができたなあ、、、。思えば初めてのキャンプは尾瀬だった。あの時は大清水から燧ヶ岳を目指して登山を試みたのだが、雨に祟られて挫折。対岸の岸辺から眺めた燧ヶ岳、雨に煙る姿を眺めるだけで終わったのだった。

10時下山開始。下りはかなり道が荒れている印象。雨ともなれば、奔流のように水が流れる姿をイメージした。1時下山完了。まだ随分と日が高かった。こんな時刻に下山をしたのは初めてだったので、どのように過ごしていいものか戸惑ってしまう。しばらくテントで仮眠を取ろうと思ったが日が射してきてそれどころではない。小屋へ赴き、かき氷を食べた。山中でかき氷とはおつなもの。昨日のテントが姿を消して新しいテントが林立していた。

飯盒 鍋 飯盒

午後4時から食事の支度。思えば早起きをして食事をしているので昼食と夕御飯の時間感覚が狂っているらしい。今日の献立はアルファ米おこわと缶詰めとあんみつ。我ながら粗食とは思った。次回からはもっと工夫を凝らして楽しい食事を作ろう。他の人たちは目を見張る豪華な食事でバーベキューまで登場したのには心底驚いてしまった。ああいう重いものをよう持参してくるなあ。食へのこだわりはおそろしい。今度来る時は必ず飯盒で御飯を炊いてみよう。

7時に就寝する。ロウソクの明かりで楽しい語らい、、、を計画しつつも、、疲れもあり即座に就寝。登山のせいで筋肉が炎症をおこしたらしく、シュラフが熱く感じられる。なかなか寝つけなかった。

 ◆  ◆  ◆

7/20(月)
4時起床する。曇天。初日におにぎりを買えなかったので食料切れ。やむなくカロリーメイトとスープでの食事となる。いつも思うけどカロリーメイトはなかなかよくできている食べ物だ。水気がないとモクモクして食べられないけど、、。熱いコーヒーを飲んでテントの撤収にかかる。5時半に完了。今日の予定は山の鼻経由鳩待峠。尾瀬沼を徘徊して三平峠経由大清水も考えたが、お風呂に入りたかったこと。高速の渋滞に巻き込まれたくなかったこと、で最短コースの帰路を洗濯。弥四郎小屋でコーヒーを飲んで出発。山の鼻まで丁度2時間、そこから鳩待峠にあがったら小雨に煙っていた。

文責: 木蓮


inserted by FC2 system